アラサー女の二死満塁ブログ

ピンチでもありチャンスでもある

不妊治療 体外受精①採卵編

クリニック到着。精子提出。静脈で本人確認もされる。徹底している。


私の受付番号が、行ったことのないフロアに案内された。

カーテンが引かれたベッドがずらりと並んであり、奥から手術着を着た患者がヨタヨタと出てきている。奥が手術室のようだ。


下半身の服をすべて脱ぎ手術着のガウンに着替え、手術キャップを被るよう指示される。

すっごいピンク。ビビるほどベビーピンク。全然趣味じゃない。


トイレに行くよう指示され、また10分ほど割り当てられたベッドで待つ。

どれくらい痛いのかしら、といらんことを考え始めてしまった。

注射器で吸い出すっていうのだから、採血と変わらない感じ?でも病院によっては局部麻酔や静脈麻酔で行うところもあるし。

Kクリニックは髪の毛よりも細い針だから痛みが少ないよ〜っていうのが売りだそうだが、元美容師から言わせたら


髪の太さは!!!!!

個人差が!!!!

あるんや!!!!!!


めっちゃ細い髪よりも細いって認識でおけ!?

と半ばキレそうになる。

 


カーテンの外ですすり泣きが聞こえてきた。手術室から出てきてすぐのようだ。看護師が「痛かったね。びっくりしたね。大丈夫ですよ、ゆっくり休みましょう」と患者に声をかけている。


こんな!!!!

直前で!!!!

やめてくれよ!!!!

めっちゃ怖いやんけ!!!!!


名前を呼ばれた。手術室の横のパイプ椅子で待機。心情的には最悪のタイミングだ。心臓がドラムロール状態。口から出そうってこのことか。

 


手術室に呼ばれた。いよいよだ。

手指消毒。静脈認証。モニターに表示された名前と生年月日が合っているか確認。体重を測る。


手術室は薄暗い。手術台は内診台の機能もついており、足がかっぴろげられるようになっている。

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(こんなイメージ。実際はもっと暗くて、患者の股周りだけ明るい。お股・オン・ステージ状態)

下半身丸出しで台に横たわる。いつものご開帳スタイルだ。カーテンがないぶん、いつもより恥ずかしい。

 

ここで看護師

「本人確認のため名前と生年月日をおっしゃってください」


えっ!!

この状態で!?

丸出しやで!?どういう罰ゲーム!?

いや、いいけどさ!!!


脚ぱっかんの状態で、言われた通りに個人情報を伝えた。

看護師がやまびこする。

「〇〇さん、〇〇年〇月〇日生まれです」

めちゃめちゃシュールだ。

「これはおもろい、あとで夫に話そう」なんてのん気な考えがよぎったが、おかまいなしに採卵がスタートする。


卵巣内を映す機械がまず挿入される。枕元のモニターを見るように指示される。

これが卵胞です、これの中身を今から吸い出します、と。

悠長にハイ、ハイ、と返事をしていたところ、医師から


「チクッとします」のかけ声。

針が刺さっていく。


ん?耐えられるくらいかな?

んー。違うな、これは痛い。

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あああああああ痛い、痛いわ。

痛いのと不快感がすごい。

耳の穴をアカンところまで掃除されている感じ。ギイイイイと目を瞑りたくなる。脚を閉じたい。痛い。

イラスト検索したけど、見てるだけで痛い。

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子宮め、笑ってる場合ではないぞ。

 

痛みに耐えていると、看護師が肩に手を添えてくれている。人肌っていいな…いや痛いけど…

針の先が卵胞に刺さりました、吸い取ってますよ。とのこと。モニターを見る。

卵胞だと言われていた丸がどんどん小さくなっていく。

 


医師「最後まで吸い取るため針を少し動かします」

 

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いだだだだだ!!!!!

やめえ!今すぐやめえ!!!

なあにが「髪の毛より細い針」じゃあ!

グリグリすなあ!!!!

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イマジナリー千鳥ノブが私の脳内で大暴れしている。


ひたすら耐え、痛みのピークが去った。注射針が抜かれたようだ。

止血のためにガーゼが挿入される。


医師「ガーゼ2枚入ります」

看護師1「ガーゼ2枚〜」

看護師2「ガーゼ2枚〜」


手術室はラーメン屋ですか?高学歴たちがやまびこしている。(のちのち理由がわかる)


ともかく終わったらしい。看護師の誘導でヨタヨタしながらベッドに戻る。お股からはガーゼの先がピロピロとたなびいている。


「ベッドでしばらく横になって安静にしてください」


遠慮なく横たわる。

終わったのか。下腹部が生理痛のような鈍痛だ。ちょっと気持ち悪い感じがする。

ほっとしたのか、緊張の糸が解けたのかちょっとだけ涙が出てきた。


5分くらいで看護師が入ってくる。採卵結果の速報と、これからの流れの説明だ。

卵子は1個採れた

・あと20分くらい休め

・その後トイレ行ってガーゼを抜け、2枚入ってるか確認せよ

・トイレットペーパーに血が付かないか確認せよ

・トイレから出たら看護師にガーゼ枚数を報告せよ


手術室でのガーゼやまびこは、体内に異物が残らないようにするためか。なるほど。


20分後、まだ鈍痛は薄ぼんやり感じるものの動けないわけではない。看護師に誘導されトイレにいく。

ところどころ血に染まったガーゼが自分の股からズルズルと出てくる。軽いホラーだ。

血は止まっているようなので、トイレの外で待機している看護師に枚数を伝える。


体調が悪くなければ身支度を整えて待ち合いフロアで待機、培養士と医師からの説明があるとのこと。


エレベーターに向かう廊下から、ガラス張りになった培養室が見える。

どうかよろしくお願いします、と小さく手を合わせた。


培養士と医師からの説明。

卵子の状態は特に所見なし、悪くないです。精子の成績は平均以上でとても良いです」

億男め…!頼りになるぜ、夫!!

精子の成績が良いので、このまま卵子精子をふりかける形での体外受精を試みます。正常に受精し、細胞が分割したら翌日メールにてお伝えします。順調に進めば明後日、新鮮胚移植(凍結せず新鮮な状態で体内にもどすこと)を行います。」


とんとん拍子だ。今日採ったやつは明後日に戻すのか。考えたひとすごいな。


お会計、40,000円。

明後日ビビるほどの金額を請求されることを、私はまだ知らない。

 

移植、判定日編へ続く