アラサー女の二死満塁ブログ

ピンチでもありチャンスでもある

不妊治療 体外受精②編

初めての体外受精の後、体調と心のバランスを崩してしまったので2ヶ月治療をお休みすることにした。

そのあいだに思いっきりキャンプをした。

もはや悔いなし、といえるくらい存分に夫婦の時間を楽しんだ。


2021年6月、治療再開。

前回、初期胚移植で陰性だったので

今回は胚盤胞移植だ。

初期胚をもう少し育てて、「胚盤胞」にしてからそれを凍結し、次周期に移植するもの。

胚盤胞、名前だけみるとなんか強そう)


初期胚移植との違い。

胚盤胞移植のほうが妊娠に至る確率が高い。

しかし凍結代や保存代等、かかる費用がドドンと増える。


また、新たに増えたのは

クロミッド という薬の服用。

卵子の質を高める、夢のような薬だ。

ただ副作用があり、子宮内膜(子宮内における赤ちゃんのベッド)を薄くしてしまうらしい。


クロミッドを数日服用し、クリニックにて卵胞・ホルモン値評価。


卵胞が2個あった。

複数個なんて初だ。すごいぜクロミッド

 

しかし内膜が4ミリ。

いつもは10ミリ以上ある。

着床に必要な厚さが最低限8〜10ミリであることを考えると、ばっちり副作用が出ている。

4ミリか。やばいなクロミッド

そんなせんべい布団みたいな内膜に、大事な大事な胚盤胞さまを移植するわけにはいかないわけで。

 

胚盤胞移植の流れは

採卵→体外受精胚盤胞まで成長すれば凍結→ペラペラ内膜は生理でリセット→次の周期のふかふか内膜に移植

となる。つまり最低2ヶ月かかる。


例のごとくシフト調整してもらう必要があり、周りにペコペコ、もとい、協力をいただきながら採卵の日を迎えた。


2回めとなれば慣れたものだ。

ピンクの手術用ガウンに着替え、手術台へ。


笑ってはいけない手術室。

下半身丸出しで名前と生年月日を言わされる。

ここまではいつもどおり。余裕すらある。


モニターに卵巣のエコーが映し出される。

以前の診察のとおり、左側の卵巣に卵胞が2個。

ここで唐突に理解した。

「あの不快な痛みを2回分も味わうってことか?これから」

一気にブルーになった。しかし、私の両脚は手術台にガッチリ固定されている。逃げられない。(まあ逃げないけども)


医師「ひとつめでーす」


私(んぎぎぎぎぎ…痛い…不快…痛い…)


医師「ふたつめでーす」


私(ぎええええええ…耐え抜け…よし…終わり…)

 

 


医師「右の卵巣にもうひとつ卵胞あるのでこちらも吸いますね〜」

 

 

 

私(は?????)

 

 

 

決死の思いで耐えたんだが????

右に隠れ卵胞とか聞いてない。

クロミッドめ。お前のせいだろ。

いやありがとうございます。いや許さん。

反復横跳びする感情。

 


私「…お願いします(ンギェェェェェ)」

 


採卵が終わり、割り振られたベッドに戻る。

満身創痍である。

 


ぐったり横たわっていると看護師が採卵の速報を持ってきてくれた。

 

獲得卵子数:1個


いや、なんでやねん!!!!

痛い思い×3して!!!結局1個て!!!!

思わせぶりな卵胞め!!!!!

1個しか採れないなら吸わないでくれ!!!痛いんだからさあ!!!!!

…嘘です薬で操作した卵胞を放っておくと良くないのはネットで調べましたお医者さん吸ってくれてありがとうございます


ベッドでしばらく休み、血まみれのガーゼを股から抜き、身支度をして別フロアへ。

培養士からの説明。

 

結局、取れた1つの卵子は未成熟卵だった。

不完全なたまごだ。

明日まで成長を見守り、成熟したら顕微受精をする方針らしいがあまり期待しないで、と言われた。

成長しなかったら培養中止になるそうだ。


そして、夫の精子の成績は今回も超優良だった。


説明を聞きながら、視界がぐわんと歪むのを感じた。

また私のせいだ。私が足を引っ張っている。

薬も飲んだのに。それでもダメなのか?

子どものいない未来が頭をよぎり、待合室の端で声を殺して泣いた。


採卵から4日後、クリニックから連絡がきた。

 

未成熟卵は、なんと無事に成熟した。

顕微受精も無事に正常受精。

一発逆転あるか。さあ胚盤胞になってくれ。

 

 

採卵から1週間後、クリニックから連絡。


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残念無念。凍結にも移植にもたどり着けなかった。無力感。

またやり直しか、と落ち込む。

妊活アカウントで仲良くなった子たちとモンハン大会を開催し、LINE通話で「採卵やだよー!!」と言いながらモンスターを蹂躙した。

仲間がいるってありがたいな。

 


かかったお金

¥349,925-

顕微受精は高い。

移植までもたどり着いてないのにこんなにかかるんか、と愕然とした。

30万は助成金で返ってくるとして5万弱は持ち出し。

5万あれば良い焚き火台が買えるぞ。

 


保健所へ申請にいく。

2回目ともなればサクサク。

 

 


そして、子宮は空っぽのまま結婚5周年を迎えた。

 

 


去年も行った鰻屋でしっぽり飲んだ。

結婚記念日だということから子どもの話になり

まだなんです〜と話してたら鰻屋のおばちゃん従業員に

「もう少し太った方が(妊娠するには)いいわね〜」なんて悪気なく言われた。

心に濁流が押し寄せそうになったが

「これ(鰻)いただいて体力つけますね☆」と大人の対応をして、日本酒で全部流し込んだ。

 

 

1時間弱かけて夕涼みしながら歩いて帰り、玄関先で花火をした。


寝る前に5年間を振り返ってぽつぽつと話した。

夫の言葉に救われたので備忘録的に残しておく。


「今までの5年で分かったのは、2人でも楽しく生きていけるってことだね。僕も子どもが欲しい気持ちはとても強いけど、君がいれば人生は最高ってこと覚えておいてね。」


「これからの5年はきっと変わるし、変わろうと取り組んでること(妊活)は間違ってない。やれるとこまでやってみて、もしダメだったとしても2人で楽しく生きていこうね。あっでも子どもはちょう欲しい!!!欲しい!!!」

 

ありがとう夫よ。

もう少し頑張ってみるよ。

一緒に頑張ろうな。