アラサー女の二死満塁ブログ

ピンチでもありチャンスでもある

不妊治療 卵管造影編

痛いやつ。つらいやつ。

妊活の先輩たちはそう言う。

それが卵管造影だ。


痛さ度合いでいうと

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こんな感じらしい。

めっちゃこわい。


卵管造影とは。

卵管が詰まってると卵子が子宮まで辿り着けない。なので子宮から造影剤を注入し、レントゲンみたいに管の通りを確認する検査だ。

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造影剤を注入することで、半年ほど卵管の通りをよくすることもできるというオマケつき。

ツイッター界ではゴールデン期と呼んでいた。

 


必要な検査だということはわかっている。

ただ、怖い。

痛みもそうだけど、もしこれでトラブルが見つかったら?卵管の狭窄があったら?また「私のせい」が明らかになったら?

今度こそ自分で自分を許せなくなるのではないだろうか。


ぶつけようのない焦りと不安に押しつぶされそうになりながら、クリニックの待合室で静かに泣いた。


医師から説明を受ける。

「造影剤に含まれるヨードに対するアレルギーはないですか」

ありません。

「痛みを伴うので鎮痛剤を処方します。検査前に使用してください。座薬です。」

わかりました。

(座薬…!人生初の座薬!!!)


夫にLINE。

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このあと続々と座薬の入れ方・図解を送ってくるマイハズバント。嫌いじゃない。


いざ検査。


例のごとく、下半身は脱ぐ。手術着のようなガウンに着替えさせられる。

内診台へあがる。

もう一度図解。

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このバルーンがちょう痛い。

キツい生理痛みたいな重さ・鈍痛に加え、膀胱が圧迫される。これは…やばい。おしっこが漏れてしまいそう。

「これは28歳にして大人の尊厳を手放す感じ??」と焦りと痛みのダブルパンチですでに汗だく。

追い討ちをかけるように造影剤注入。

あいたたたたたたたたたたたた!!!

看護師「痛いよね〜!頑張って〜!すぐ終わるからね〜!!!」

鈍痛に次ぐ鈍痛。もう許してくれ。お腹がしんどい。気持ち悪い。


内診台をおり、レントゲン機器(みたいなやつ)の前に移動。直立。汗だくの私。

お医者「大丈夫ですよ〜!キレイに通ってます!」

 

うるせえ!
そんなことより!!!!!!

一刻もはやくこれ(バルーン)を抜いてくれ!!!!漏れる!!!!!

(多分実際はそつなく相槌を打ったのだと思う。よそいきの自動音声が役に立った)


内診台に戻る。

バルーン抜かれる。鈍痛が嘘みたいになくなる。

生き延びたと言わざるをえない。私は生還したのだ。


頑張ったね〜!着替えてくださいね〜と看護師に声をかけられ、カーテンが引かれた。

私はまさに「orz」状態で満身創痍、しばらく動けそうになかった。


やったぞ。やってのけた。

激痛だったけど、これはネタになる。

その気持ちで私は服を着た。


放心状態で待合室待機。

診察室に呼ばれ、さっき造影室でも聞いた「キレイに通ってましたよ」を告げられた。

「この説明要るか?」と半ばキレそうになったが大人しく会計に向かった。


本日のお会計7800円。

おおう…ヘビーね…


卵管造影から数日、お腹がゆるくなったのと蕁麻疹が出たので、結局アレルギーだったのかもしれん。


とはいえ、痛みと恐怖と引き換えにゴールデン期ゲットだ。

体温をはかり、内診台にあがり指導を受け、夫に業務連絡をすることを繰り返した。

 

クリニックのたびに戦いにいくような勇ましい気持ちが芽生え、経膣エコーの棒を「今日もへし折ってくるぜ」とツイッターに報告していいねを稼いだ。

無心で内診台にあがれるようになり、恥じらいは田んぼの畦道に捨ててきたので服の着脱がとんでもなく早くなった。まるで出動要請がきた消防士だ。

途中で、自己流を含めてのタイミング法を初めて1年が経ったときは「これで私も立派な不妊症だ」と律儀に落ち込んだ。

投薬もないし、これは治療なのか?と「不妊治療 どこから」で検索したこともあった。ベンザブロックかよ。授かれないアナタには治療のベンザ、ってやかましいわ。

リセットがくるたび夫とヤケ酒会を開催し、「この人となら一生ふたりでもいいな、私ほんまにこども欲しいんかな。こんな弱気なの夫にも言えない」と、シクシクと泣いた。

 

頑張りは虚しく、その後6周期、空振りに終わった。

卵管造影も含め、半年で費やした金額52,050円。

2020年の6月から11月。

あっという間のゴールデン期だった。


期待していたぶんズドンと重くのしかかり、ひどくひどく落ち込んだ。

うまくいかないイライラから仕事で接客クレームを連発した。横柄な妊婦の客にイライラして「なんでお前みたいなやつに子どもができるんだ。代われよ」と思った。

 

こんなことを考えてるから子どもが来てくれないんだ、私が未熟な人間で、母親に相応しくないから授かれないんだ、と夜中にひとりでおいおい泣いた。

インスタグラムが開けなくなった。私よりもあとに結婚した同級生や歳の近い知り合いたちが次々と妊娠、出産していく。

生後〇ヶ月、とキレイな写真を載せる。

SNSは個人の自由なので、自衛するしかない。

精神衛生のため、インスタグラムアプリをアンインストールした。

 

「ストレスが溜まると妊娠しづらいよ」という助言がもはやストレスで、溜まったストレスで肌が荒れてまたストレスが蓄積し、「眉間にできる吹き出物はストレスが原因です」に憤慨し、結局妊娠できないという負の無限ループに放り込まれた。

いま振り返ってもあの頃は暗黒だった。ダースベイダーもびっくりのダークサイドだ。


妊活の日々を重ねるたび私はツイッターのフォロワー数を増やし、「わかる」というリプライを募り、リセットがくるとみんなで励ましあった。

授かったひとがいれば大いに喜んだ。ちゃんと喜べていたと思う。たぶん。

 

 

話を戻す。

ゴールデン期が終わってしまった。

夫と相談。ステップアップするか否か?

タイミング法でダメなら人工授精。

人工授精がダメなら体外受精とステップアップしていくのが不妊治療だ。


人工授精。

採取した精子をさらに精製し、子宮の奥に医師が注入する治療だ。1回2万円くらい。


精子が元気ない場合は有効な手だが、幸い夫は億男である。

人工授精とタイミング法に、もはや差はあるのか?

 


いろいろと吟味した結果、一気に体外受精へと進むことにした。

いよいよ高度不妊治療へ足を踏み入れる。

年明けからのスタートだ。