不妊治療 タイミング指導編
緊急事態宣言明け、通院しながらのタイミング法開始。
夫の検査結果はすこぶる良好だった。
平均値を全て上回っている。億男め。やはり私が原因か。
追撃でかなり凹んだが、相手に原因があったとしたらどういう気持ちで頑張ればいいかわからなくなっていたと思うので、自分由来の不妊でまだ良かった。いや良くないけど。
クリニックでのタイミング指導。
自己流との違いは、超音波で卵胞の大きさを診て「今〇〇ミリだから〇日後に排卵しそうなので、〇日と〇日にタイミングとるべし」と指導される。
超音波検査。
こいつがなかなかに屈辱的な格好を強いられる。
子宮頸がん検診を受けたことがある女性なら全員経験してるはずだが、あれを毎月やるわけだ。
下半身の洋服をすべて脱ぎ、内診台に座る。
軽くリクライニングしたのち、脚がぱっかんと開かれる。
笑っている場合ではないのだ。
間にカーテンがあるとはいえ、向こう側は私のすっぽんぽんの下半身が晒されている。実にシュールだ。
脚がご開帳され、膣に棒状の機器が挿入される。
右の卵巣〜!左の卵巣〜!と順番にぐりぐりと押し付けられる。なんとも言えない気持ち悪さ。
内診おわり。
服を着て、隣の診察室で指導を受ける。
何百人何千人の下半身を見てるであろう医師とはいえ、さっきまで私の股に話しかけてた人物が目の前にいるのは気まずい。
(治療を重ねるごとに何とも思わなくなってくるが)
診察おわり。
お会計1810円。マンガ3冊買ってもお釣りがくる。
自然に授かれるひとは払わなくていいお金なんだよなあと頭によぎる。黒い影が胸に広がる。
タダで妊娠できるひとはいいよなあ…
…え??うわっ!?私いま何考えた!?性格悪すぎる!!!!お家それぞれの事情!!ヒトにはヒトの乳酸菌!!!
暗い気持ちに支配されたが、すぐに切り替えた。
(今思えばこのときはまだすぐに切り替えられる程度の仄暗さだった)
帰宅途中、夫に連絡。
「〇日と〇日、よろしくお願いします」
「了解!禁酒します」
もはや業務連絡である。色気もクソもない。
私たち夫婦にとって子を成すことはロマンスではない。ミッションだ。私たちはチームだ。
初通院、初タイミング指導も虚しく、生理がきた。またリセットだ。もうええて。
次月も通院。医師からの提案。
「卵管造影をおすすめします」
きたか、噂に聞きし激痛検査…!
次回に続く