アラサー女の二死満塁ブログ

ピンチでもありチャンスでもある

最後の花火に今年もなったな

久しぶりに関西弁で接客した。

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わたしは湖国で生まれ、20年湖国で育った湖人(うみんちゅ)だ。

京都大阪からは「滋賀作」「ゲジゲジ」「やーい県のほとんど水たまり」等いじられ、関東の方からは「滋賀って関西に入るんですか?」と悪意なき銃弾をおみまいされる滋賀県

このヤロー、滋賀は立派な関西の一角である。

そして私もコテコテの関西人、扱うのは関西弁だ。

「だから駄目って言ったでしょ」を地元の言葉でいうと「せやさかいアカンゆーたやろ」である。


社会人になるタイミングで上京。

序盤は関西弁で仕事をしていたので、会うひと会うひとに「関西出身なの?」と聞かれていた。

しかし「はい、滋賀県です」と答えるたび相手がリアクションに困っている。手に取るようにわかる。「名産品もパッと浮かばないしそもそも関西なの?本州のどのへん?」と顔に書いてある。

「琵琶湖があるんです」といっても「ああ、日本一大きい湖ね」で会話が終了する。不毛だ。

私は(アシスタントで終わったが)美容師だったので、地元の話より美容の話がしたかったし、自分の話よりお客様の話が聞きたかった。

しかし同期がシャンプーの指名をもらっている中、私は近江牛の話をしていた。

関西弁はやや足枷のように感じた。


加えて、私のことばは関西弁の中でもそこそこ訛っていたため、お客様に聞き取っていただけないことが多々あった。

訛りが強いだけでなく、使い慣れたことばは早口になる。さらに聞き取れない。最悪である。


さらに(想定はしていたが)サロンの中で関西弁を操る人がいなかった。言い回しやらは耳で聞いて覚えるたちなので、接客用の敬語は先輩のマネをしていた。そのうち自然と標準語を話すようになっていた。我ながら順応は早かったと思う。


その結果、自分から「西の生まれで」と言わなければ全く気付かれないくらい完璧に標準語をマスターした人間、いわゆる「東京に魂を売った女」が完成したのである。


その後、結婚し、ケガのため美容師は卒業し、一度転職に失敗し、今の仕事にいたる。


現在は化粧品販売をしている。美容が好きで接客が好きだからだ。もうすぐ4年になる。

ブランドの世界観を守るため、このチャランポランなパーソナリティはがっちりと封印し、おすましして真面目に粛々と仕事をしている。むろん、おとなしい穏やかな標準語で。


が、最近飽きた。マンネリだ。

仕事がつまらないわけじゃないが、製品たちのうたい文句が自分の中であまりに定着しすぎて自動音声のようになっていた。これはよくない。


というわけで、冒頭に戻る。久しぶりに関西弁で接客することにした。

自らに注意点を課す。早口にならないこと。早口の関西弁でハキハキと商品を語るともれなくアンミカ女史が爆誕する。同僚に見せる女史の真似はもはや宴会芸の域だが、実戦には向かない。私はブランドの世界観を守る。あくまでも穏やかにゆったりと。


やってみた。当然、慣れない。上手く話せないが、話せないなりに一生懸命さが伝わるのか、普段より上手くいくことが多かった。

地のことばで話すのは、お客様に伝わって欲しい親切心やら真心やらが伝わりやすいのかもしれない。

関西弁にかこつけて、パーソナルなヒアリングも人懐っこくやってみたところ、いつもより好感触だった。お客様の心の開き具合が違う気がする。


購入につながるだけでなく「今日来てよかった」「楽しかった」と言ってもらえることが今日は多かった。

嬉しい。サービスする側にも関わらずご褒美をもらってしまったようでくすぐったい気持ちだ。


ただ、タイムカードを切った瞬間の疲れかたが異常だった。今日いちにちでめちゃくちゃ頭を使った。脳からプスプスと煙が出ているようだ。

でも嫌じゃない。筋トレ後のような達成感。ちょっとだけ成長できたような気がした。

またチャレンジしてみよう、関西弁接客。

 

 

 


なんか恥ずかしいブログになったな…

共感性羞恥がはたらいてしまったそこのあなた、全ての文末に「知らんけど」をつけて読み直すと全部がテキトーな感じになるからオススメ

 

 

 

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