アラサー女の二死満塁ブログ

ピンチでもありチャンスでもある

それぞれの思惑 途中で裁断

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ベッドの脚に左足の小指を強くぶつけた。

誰かに呪われてるかもしれない。

 


噂されているとくしゃみが出るとよく言うが、

足をぶつけるのもそのたぐいと思っている。

 


理由は簡単、私がそうやってしばしば

他人を呪うからだ。

 


昔から怒りの感情が欠落しがちなので

自ら怒りを発したりはしない。

そんな私が他人を呪うのは

常に誰かのためだ。

 


身近なひとから愚痴や相談で

「こんな人に困ってて…」というのを聞くと

 


大丈夫、そのひとには

"小指ぶつけまくる呪い"を

かけといたから

 


と物騒なことを言い放ち

クネクネと意味深な手の動きをする。

こうして陳腐な呪いをかける。

 


他にも

"足の臭さがとれない"

"ビニール袋を捲れない"

"自販機のお釣りがぜんぶ十円玉"など

バラエティに富んだ呪いをかけている。

 


ろくなアドバイスができない人間なので、

ちょっとでも笑って欲しいという理由で

大変バイオレンスな発言をしている。

 


しかし、人を呪わば穴ふたつ。

 


先ほど私はきっと

己のかけてきた

小指に関する呪いを全回収した。

 

ぐあ…っ!と可愛げのないうめき声をあげ

ベッドに倒れ込む。

私は大人だ、泣いたりしない。

今まで他人に浴びせてきた呪詛が

走馬灯のように駆け巡った。

 


真の敵は己である、と再確認した

肌寒い夏の日であった。

 

ブレーキはノー/YUKI